GPS(Global Product Strategy、グローバルプロダクト戦略)は、ICCA(国際化学工業協会協議会)で決定された国際的な化学品管理で、化学物質による悪影響を最小化する、その達成の為に、ICCA(国際化学工業協会協議会)が推進する産業界の自主的な取組みのことです。
製品が安全に製造・運搬・使用・消費そして廃棄されることによって、人への健康被害や環境への影響が生じないことを目標としています。また、化学物質がすべての過程全体に渡って、安全に管理されているということの情報を公開し、社会の信頼を得ることを目指します。世界的に統一されたルールに従って、化学品を危険有害性の種類と程度により分類し、その情報が一目でわかるよう、ラベルで表示したり、安全シートを提供したりして災害防止及び人の健康や環境の保護に役立てようとするものです。
JIPS(Japan Initiative of Product Stewardship)は、GPSの日本版として位置づけられるものです。
1)2017年度 事業報告
GPS/JIPSの理解向上、リスク評価力向上及び安全性要約書(GSS)作成の負荷低減のための環境整備、インセンティブ強化施策等を進めることによって、GPS/JIPS GSSの作成支援に取組みました。
会員のインセンティブ強化に向けた「JIPS賞」を継続するなどの施策により、日本企業によるGSSアップロード件数は506件となりました。
“JCIA BIGDr”の活用促進を通じバリューチェーンを通じた化学品管理の向上を図ることを目的として、関係業界団体を通じたセミナーなどを開催しました。またJIPS混合物リスク評価のためのガイダンス、GPS/JIPSの理解促進を目的とした関連セミナー及びリスク評価ツールの実習会の開催、これら支援ツールを活用したコンソーシアム活動を開始しました。
2)2018年度 事業報告
GPS/JIPS 推進部会を廃止し、部会の4つのWGを統合し、GPS/JIPS WGとして活動内容を整理しました。
GPS/JIPSの理解向上、リスク評価力向上、及び安全性要約書(GSS)作成の効率化、省力化のための環境整備、インセンティブ強化施策等を進めることによって、GSS作成支援の取組みを継続して実施しました。
会員のインセンティブ強化に向けた「JIPS賞」を継続する等の施策により、日本企業によるGSSアップロード件数は548件となりました。
“JCIA BIGDr”の活用促進を通じバリューチェーンを通じた化学品管理の向上を図ることを目的として、関係業界団体と共催でセミナー等を開催しました。また、JIPS混合物リスク評価のためのガイダンス、GPS/JIPSの理解促進を目的とした関連セミナー及びリスク評価ツールの実習会の開催、これら支援ツールを活用したコンソーシアム活動を行いました。
3)2019年度 事業報告
GPS/JIPSの理解向上、リスク評価力向上、及び安全性要約書(GSS)作成の効率化、省力化のための環境整備、インセンティブ強化施策等を進めることによって、GSS作成支援の取組みを継続して実施しました。
ICCAは、ICCA GPS Chemicals Portal(以下 ICCA Portal)を9月に閉鎖し、GSS関連の活動は各国の協会に任せることを決定しました。日本ではGSSはコミュニケーションツールとして有用であり、日化協の自主活動として引き続き作成を推進し、ICCA Portalの閉鎖に伴い、GSSはJCIA BIGDrに直接収載することに変更しました。会員のインセンティブ強化に向けた「JIPS賞」を継続する等の施策により、日本企業によるGSSアップロード件数は558件となりました。
“JCIA BIGDr”の活用促進を通じバリューチェーンを通じた化学品管理の向上を図ることを目的として、関係業界団体と共催でセミナー等を開催しました。また、JIPS混合物リスク評価のためのガイダンス、GPS/JIPSの理解促進を目的とした関連セミナーを開催しました。
2月、日化協の活動についてSAICM国内実施計画の最終点検報告書(日本語版と英語版)を作成し、環境省に提出しました。
3)2020年度 事業報告
GPS/JIPSの理解向上、リスク評価力向上、及び安全性要約書(GSS)作成の効率化、省力化のための環境整備、インセンティブ強化施策等を進めることによって、GSS作成支援の取組みを継続して実施しました。
会員のモチベーションアップに向けたインセンティブとして「JIPS賞」を継続する等の施策により、GSSのJCIA BIGDrへのアップロード件数は592件となりました。
JIPS混合物リスク評価のためのガイダンス、GPS/JIPS、及び個社で実施するリスクアセスメントの理解促進を目的としたリスクアセスメントセミナー(初級編、実践編)をケミカルリスクフォーラムで実施しました。
SAICM2020年目標の最終年として、JIPS活動を総括して纏める作業を実施しました。
4)2021年度 事業計画
「環境・健康・安全に関する日本化学工業協会基本方針」に基づき、化学品のリスク評価手法及びBIGDrの整備を行うと共に、RC委員会及び広報委員会と協働でBIGDrを普及促進します。それにより会員及び会員会社のビジネスパートナーの化学品のリスクベースでの管理能力の向上を図ります。
① 2020年のヨハネスブルグサミット(WSSD2020)以降の化学品の自主管理を支援する活動のあり方について、国連のポストSAICMやICCAの動向を見ながら検討し、活動方針を立案します。
② WSSD2020年以降の活動でのBIGDrの活用に向けて、また、海外からのアクセスや海外のデータベースとのリンクを想定し、今後の英語サイトの在り方を検討します。
③ GPS/JIPS安全性要約書(GSS)作成・更新・公開をGPS/JIPS WGの活動を通して更に促進します。GSSはBIGDrでWEB公開を継続します。
④ 地方事業所/中堅・中小企業/サプライチェーンの川中・川下企業に対して、WEBで化学品管理の支援が受けられるBIGDrのメリットをPRすることやセミナーのWEB配信等の施策により、GPS/JIPS活動の理解と普及を進め、個社の化学品管理を支援します。また、非会員に対し、上述の普及推進諸活動を通じ、日化協の役割と会員のメリットを理解してもらい、日化協への加入を働きかけます。
5)JIPS活動総括
2006年のICCM1でのSAICMの採択を受けて、ICCAがコミットした国際的な化学品管理戦略であるGPSの日本版として、日化協では2010年からJIPS活動を推進しています。
この度、2020年までの活動をJIPS活動総括としてまとめました。