一般社団法人 日本化学工業協会
会 長 福 田 信 夫
化学産業は、2050年カーボンニュートラル実現に向け、健康で快適、便利な生活を支える製品・サービスを提供するだけでなく、さまざまな課題を解決するソリューションプロバイダーとして社会へ貢献することが求められています。
日化協では、「カーボンニュートラル実現への一層の貢献」「社会とのコミュニケーションの強化」「操業と化学品管理の安全強化による安心の提供」の3点を重点テーマとし、持続可能な社会の構築に向けて活動を進めてまいります。
この3点は独立したテーマであるとともに「安全・安心」を化学産業の基盤として、「コミュニュケーション」を手段として活用し、「カーボンニュートラル」をゴールとする、という関係にあると思います。
持続可能な社会への転換に資する技術開発に期待が高まっているなか、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言を受け、イノベーションの社会実装を加速してくことが求められています。
日化協では、2021年に策定した「カーボンニュートラルへの化学産業としてのスタンス」をもとに、エネルギー転換や原料転換を実現する革新技術の開発と社会実装を目指して、行政・他産業と連携して取り組みを進めてまいります。
さらに、環境価値を認める社会の醸成に向けて、社会全体の意識変革を促していく必要があると考えています。化学製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷削減への貢献を、定量的に評価できる仕組みの構築を図り、化学産業の重要性・有益性を発信することで、社会との積極的なコミュニケーションに努めてまいります。
また、工場の安全操業、化学品管理の強化による安心の提供は、化学産業が存続するための最重要テーマで、基盤であり、前提でもあります。
一方、化学産業は、設備の高経年化や少子高齢化に伴う人手不足などの課題に直面しております。安全運転を継続するため、IoTやビッグデータといった最先端のデジタル技術を駆使する体制の整備とそれを支える人材育成を支援することで、スマート保安を促進してまいります。
化学産業はソリューションプロパイダーとして、経済成長と持続可能な社会の実現に向けて、製品・サービスの安定供給とイノベーション創出により、社会に貢献してまいります。
以上