知っておきたいRC用語

●APRCC(Asia Pacific Responsible Care Conference): アジア太平洋RC会議
アジア太平洋地域のRC活動についての情報共有化とレベルアップを図る目的で開催される会議。
●BOD(Biochemical Oxygen Demand):生物化学的酸素要求量
有機物による水質汚濁の指標。水中の有機物が微生物により酸化分解されるときに必要な酸素量。河川の汚濁指標。
●COD(Chemical Oxygen Demand):化学的酸素要求量
有機物による水質汚濁の指標。有機物を酸化剤で化学的に酸化するときに消費される酸素量。海や湖沼の汚濁指標。
●CSR(Corporate Social Responsibility)
企業の社会的責任。企業は消費者、雇用、環境、地域社会に対し積極的に向き合うべきであるという考え方から生まれたもの。化学企業が既に行っているレスポンシブル・ケア活動と共通する部分が多い。
●GHG(Green House Gas):温室効果ガス
大気中のガスで太陽からの熱を地球に封じ込め、地表を暖める働きがあるガス。このガスがないと地球の平均気温は一18℃になるといわれている。1998年に制定された「地球温暖化対策の推進に関する法律」の中で、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類のガスが温室効果ガスとして定められた。
●HPV(High Production Volume)
生産量が一国当り年1000トン以上の化学物質について、安全性データの収得と評価を行うOECDのプログラム。
●ICCA(International Council of Chemical Associations):国際化学工業協会協議会
世界各国の化学工業協会の集まり。日本化学工業協会(日化協)も1989年の設立から参加。
●ISO(International Organization for Standardization):国際標準化機構
工業標準の策定を目的とする国際機関で、各国の標準化機関の連合体。
ISO規格は、さまざまな分野での国際的な交換を容易にするため策定されている国際的な標準規格。
●ISO14001
環境マネジメントシステムの国際規格である。企業等組織がその活動、製品及びサービスが環境に与える影響を低減するように配慮し、継続的改善をしていくための「しくみ」のこと。
●JCIA(Japan Chemical Industry Association):一般社団法人 日本化学工業協会(日化協)
「産業と社会の共生・共栄」の基本理念のもとで、健全なる業界の発展・わが国の繁栄・国民生活の向上への貢献等を使命として1948年に設立。化学品の製造・取り扱いおよびその関連事業を行う国内主要企業によって構成されている。
●JRCC(Japan Responsible Care Council):日本レスポンシブル・ケア協議会
日本でレスポンシブル・ケア(RC)を推進するために、1995年に日化協内に設立された。会員は94社(2011年3月)。
●LRI(Long-Range Research Initiative)
ICCAの重要課題の1つで「ヒトの健康や環境に及ぼす化学物質の影響」に関する長期的な自主研究。
●MSDS(Material Safety Data Sheet):製品安全データシート
化学製品を安全に取り扱うために必要な情報を提供し、化学製品に関わる事故を未然に防止することを目的に、化学製品の供給事業者から取扱事業者に、製品毎に配布するデータシート。製造者氏名・住所、物質名、危険有害性分類、応急処置、事故時の処置(火災、漏洩)、廃棄の注意、輸送の注意、物理的/化学的性質、危険性情報、有害性情報、環境影響情報、等を記載している。
●NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
日本の環境保護政策と科学技術開発の一端を担う独立行政法人で、NEDO技術開発機構とも略称する。
●NOx(窒素酸化物)
有害大気汚染の指標。呼吸器系に好ましくない影響を与える物質。環境基本法により環境基準が設定されており、二酸化窒素(NO2)として計算される。
●OHSMS(Occupational Health and Safety Management System)
労働者が安全で衛生的な環境で働くことができるように配慮することを組織に求めるマネジメント規格。
●PDCAサイクル
Plan, Do, Check, Act の頭文字で、継続的改善を実施するためのマネジメントの基本的考え方。計画を立て、計画を実行し、実行した結果を点検し、不備な点を改善し、次の計画に生かすという連続的プロセス。
●PL(Product Liability):製造物責任
製品の欠陥が原因で生じた損害に対する製造業者等の賠償責任。
●Product Stewardship
製品の開発から廃棄にいたるまでの化学物質の安全管理。
●PRTR(Pollutant Release and Transfer Register):化学物質排出移動量届出制度
有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組み。
日本では1999年7月に法制化され、事業者は化学物質の排出量等を把握し、都道府県を経由して国に届け出る(2002年に第1回目の届出)。国はデータを物質別、業種別、地域別などに集計し、公表する。また事業者はMSDSを交付し、さらに、化学物質の管理の状況に関して国民の理解を得るように努めることになっている。
●RC(Responsible Care):レスポンシブル・ケア
責任ある配慮。1985年にカナダで始まった。化学物質の製造者または取扱事業者が自己決定・自己責任の原則に基づいて、化学物質の開発から廃棄に至るまでの全ライフサイクルに渡り環境・安全・健康面について対策を行う自主管理活動。
●RCLG(Responsible Care Leadership Group)
ICCAのRC推進組織:各国化学工業協会で構成され、現在(2011.7)加盟国数は55ヶ国。
●RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)
主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙及びプラスチックを原料とした高カロリーの固形燃料。
●SOx(硫黄酸化物)
有害大気汚染の指標。硫黄を含む燃料を燃焼する場合に発生する。通常、二酸化硫黄(SO2)を主成分とするが、少量の三酸化硫黄(SO3)を混有することもあるのでSOx と標記されることが多い。環境基本法の環境基準、大気汚染防止法の規制基準が設定されている。
●VOC(Volatile Organic Compound):揮発性有機化合物
大気中で気体として存在する有機化合物の総称で、主に芳香族炭化水素のトルエンやキシレン、ハロアルカン類のジク口ロメタンおよびハロアルケン類のトリクロロエチレンなどが上げられる。一般にVOCは、塗料・印刷および接着などに幅広く利用されるが、大気汚染の直接原因である浮遊粒子状物質や光化学オキシダントなどの発生に起因する物質とされている。
●イエローカード(緊急連絡カードの通称)
化学製品の輸送人が、輸送途中の事故時に迅速な対応を図ることができるように、事故時の処置、連絡通報事項、等を化学製品毎に記載した黄色いカード。品名、関係法規対応、有害性・毒性、事故時の応急処置、緊急通報・連絡先、災害拡大防止処置、保護具、等を記載。容器イエローカード(ラベル方式)の導入も進みつつある。
●エネルギー原単位
単位量の製品や額を生産するのに必要な電力・熱(燃料)などエネルギー消費量の総量のこと。数値が小さくなれば、省エネルギー化が進んでいることを示す。
●エンドクリン問題/内分泌撹乱物質問題/環境ホルモン問題
環境中に放出された、DDTやPCB等のいわゆる残留性塩素化合物に代表される合成化学物質の中に、天然ホルモンと類似の作用をもつものがあり、これが野生生物やヒトの内分泌作用を撹乱するため、野生生物に起こっている生殖異常の深刻な影響が人間にも及んでいるという説の問題。
●温室効果ガス→GHGを参照


●気候変動に関する国際連合枠組条約(通称、気候変動枠組条約)
地球温暖化問題に対する国際的な枠組みを設定した条約。地球温暖化防止条約、温暖化防止条約とも通称される。大気中の温室効果ガスの増加が地球を温暖化し、自然の生態系等に悪影響を及ぼすおそれがあることを人類共通の関心事であると確認し、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在及び将来の気候を保護することを目的とする。気候変動がもたらすさまざまな悪影響を防止するための取り組みの原則、措置などを定めている。
●京都メカニズム
海外で実施した温室効果ガスの排出削減量等を、自国の排出削減約束の達成に換算することができるとした柔軟性措置。京都議定書において定められたもの。温室効果ガス削減数値目標の達成を容易にするために、京都議定書では、直接的な国内の排出削減以外に共同実施(Joint Implementation:JI、第6条)、クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM、第12条)、排出量取引(Emission Trading:ET、第17条)という3つのメカニズムを導入。さらに森林の吸収量の増大も排出量の削減に算入を認めている。これらを総称して京都メカニズムと呼んでいる。
●グリーン調達
製品等を購入・調達する際に環境に配慮した、あるいは環境影響が少ない商品を優先的に取引すること。
●光化学スモッグ
工場の煙や自動車の排気ガスなど大気中に排出されたNOx(窒素酸化物)やVOC(揮発性有機化合物)、HC(炭化水素)などが、太陽光中の紫外線によって光化学反応をおこし酸化性物質や還元性物質(例えばオゾン、二酸化窒素、ホルムアルデヒドなど)が生成され、これらの物質を総称して光化学スモッグと呼ぶ。光化学スモッグは特に6月から8月の風が弱くて気温が高く晴れた日に発生しやすく、目がチカチカしたり、のどの痛みを引き起こす。
●コージェネレーションシステム(Co-Generation System)
「Co(ともに)」と「Generation(発生する)」の合成語で、電気と熱を同時に発生させることからこう呼ばれる。内燃機関、外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める、新しいエネルギー供給システムのひとつ。
●コンプライアンス:法令遵守
企業活動において、法令などのルールをよく守ろうとすること。
●再資源化:リサイクル
使用済み製品・容器や廃棄物のうち有用なものを部品などとして再使用または、新たな製品の原材料として使用できる状態に処理すること。または、新たな製品の部品や原材料として使用すること。リサイクル、再生利用のこと。
●ゼロエミッション
1994年に国連大学が提唱した考え方。あらゆる廃棄物を原材料などとして有効活用することにより、廃棄物を一切出さない資源循環型の社会システム。狭義には、生産活動から出る廃棄物のうち最終処分(埋め立て処分)する量をゼロにすること。
●総量規制
工場密集地において、施設ごとの規制では環境基準達成が困難である場合に、その地域全体の排出総量を削減するために作られた規制のこと。地域を指定し、総量削減計画に基づいて、通常の排出基準よりも厳しい基準が設けられている。水質では、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の3水系で実施されており、大気でも硫黄酸化物、窒素酸化物の排出量などが東京、横浜、大阪などで規制されている。
●ダイオキシン類
環境ホルモン物質の1つとして上げられている。日本のダイオキシンの発生量の多くは焼却炉に起因している。1997年12月にダイオキシンに関する排出規制が制定された。
●地球温暖化
二酸化炭素に代表される温室効果ガスが大気中に増えることによって、温室効果ガスによる熱の放出と吸収のバランスが崩れ、地表の温度が上昇する現象。台風や洪水、干ばつ、熱波などの気象災害の増加をはじめ、気候の変化に適応できない農作物の不作や動植物の絶滅、海面上昇によって存続の危機にさらされる国など、世界各地で深刻な事態が報告されている。
●ハザード〈化学物質について〉
化学物質等、それ自体が持つ固有の危険有害性を言い、一般には引火点や発火点、致死量等の数値で表わされている。少ない量で大きな危害を与えるものほど強いハザードを持つ物質である。
●ヒートアイランド現象
都市部におけるエネルギーの大量消費、地面がアスファルトで覆われていることによる水分蒸発、気温低下の妨げで、都市部の気温が郊外の気温よりも高くなる現象を言う。
●不活性ガス
二酸化炭素や窒素などのように、他の物質と反応を起こさない化学的に安定したガスのこと。
●リスク〈化学物質について〉
それぞれの条件下で起こり得る化学物質等への暴露等により引き起こされる有害な事象(死傷、疾病および物損)の、予測される発生確率(または、可能性)とその影響の大きさを言う。
●リスクコミュニケーション
リスク管理の1つの構成要素。リスクアセスメント(リスク評価)の内容や結果、およびリスク管理等につき、個人、グループ、組織の間で関心や意見を相互に情報交換すること。
●レスポンシブル・ケア→RCを参照