働く人々の健康・安全を守ることもレスポンシブル・ケアの重要な活動の一つです。
  JRCCは、2000年度から日化協との共催で、「安全表彰」を実施するとともに、受賞者による事例発表を中心とする「安全シンポジウム」を開催しています。
安全表彰・安全シンポジウム
 昭和48、49年頃の化学コンビナート地区での事故多発に鑑み、化学業界における自主的な保安防災・労働安全衛生の推進の一環として、日化協が独自の制度として昭和52年(1977年)に始めたもので、以後毎年、優れた安全活動を実施し他の模範となる事業所を表彰してきており、本年(2004年)5月に行なわれた表彰で第28回を迎えました。
  一つの事業所の受賞は社内の他の事業所にも良い影響を及ぼし、ひいては化学業界全体のレベルアップにつながってきたと確信しています。

 本年の受賞事業所は以下の通りです。
デュポン(株)宇都宮事業所
●安 全 賞: デュポン(株)宇都宮事業所
●安全努力賞: 昭和電工(株)徳山事業所
帝人デュポンフィルム(株)岐阜事業所
東燃化学那須(株)
三菱ガス化学(株)新潟研究所
  
  6月24日(木)発明会館ホールにて開催された「安全シンポジウム」には、会員以外の方も含めて170名が参加され、上記各社の安全活動の詳細な発表に加えて、上原陽一横浜国立大学名誉教授の司会で「いかにして無災害を継続するか」と題したパネル討論を行ないました。
  受賞各事業所の概要と安全実態は以下のようになっています。

★デュポン(株)宇都宮事業所
  デュポン(株)の日本の製造拠点として昭和58年に栃木県宇都宮市に設置された工場で、合成樹脂の製造、加工及び研究開発等を行なっています。平成13年にISO14001を取得しました。従業員数は396名、操業以来21年間無災害を継続中で、かつ最近5年間は不休災害も「0」の完全無災害を継続しています。平成13年6月に厚生労働省第1種(360万時間)記録証を受賞しています。

★昭和電工(株)徳山事業所

  山陽の周南市のコンビナートの一角に立地し、アセトアルデヒド、酢酸エチル等の化学製品及び電子材料工業用高純度溶剤を製造しています。平成8年にISO9001、平成12年にISO14001をそれぞれ取得しています。従業員数は134名、12年間無災害を継続しています。

★帝人デュポンフィルム(株)岐阜事業所
  岐阜県安八郡に立地し、昭和46年帝人のフィルム工場として操業を開始し、平成13年にデュポン(株)との合弁会社に移行しました。ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムの製造を行なっています。平成9年にISO9002、平成11年にISO14001及びOHSAS18001を取得しています。従業員数は約500名で、6年間無災害を継続しています。

★東燃化学那須(株)
  東燃化学(株)100%子会社として栃木県那須郡の工業団地内に立地し、平成2年の操業当初はポリエチレン管製造を行なっていましたが、平成9年からリチウムイオン電池用セパレーター膜の製造を行なっています。従業員数は現在106名ですが、需要拡大に伴い毎年増員しています。操業以来14年間無災害を継続中です。

★三菱ガス化学(株)新潟研究所
  昭和27年日本瓦斯化学(株)工場研究課として発足し、昭和46年に現在の三菱ガス化学(株)新潟研究所となり、昭和56年に新潟市内から現在の新潟工場内に移転しました。従業員数は74名で、17年間無災害を継続中です。


      

※各事業所の発表内容とパネル討論の議事録が、日化協ホームページの「お知らせ」に掲載されています。
http://www.nikkakyo.org/document_display_jp.php3?documentid=1331